Act.10 ゴン・キルア・レオリオ

ツ―――――・・・・・・・・・

虚しい音が響く。
「おい、おっさん。クラピカ何て?」
「レオリオ!!」
レオリオは携帯を置いた。
「電源・・切られちまった・・・・・・・・・。」
キルアとゴンは溜め息をついた。
レオリオは、申し訳なさそうに2人を見る。
キルアが言った。
「まっ、良いよ。どうせクラピカの居場所は分かってんだし、向こうは動けないはずさ。クモを倒すまではな。そ れよりゴン、ちょっと品定めに行こうぜ。さっきはネオンに邪魔されたからな。」
ゴンも頷き、キルアは扉のノブに手を掛けた。
「あっ、おっさん。オレとゴン、この上の隣の隣の部屋、予約しといたから。何かあったらそこまで来いよな。」
「なっ!?いつのまにそんなこと決めたんだよっ!」
「さっき・・・オレがついでに。ごめんね、レオリオ。」
「行くぞ!」
キルアに連れられるがままに、ゴンは部屋を後にした。
レオリオは2人の手際の良さに、少し呆れながらも感心していた。

ベッドの上に置かれた携帯に視線を向ける。
かかって来るはずがない。

"お前達と私は、もう何の関係もない"

クラピカの言葉がこだまする。
かかって来るはずがないんだ。

レオリオは窓を開けて、辺りを見渡した。
こんなところにいるはずがない、ということは分かっていたが、それでも期待してしまう自分が情けなかった。
窓はそのままに、レオリオは時間を潰すため、ベッドに横になり眼を閉じた。
携帯はしっかりと、枕元に置いてあった。


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