大寒波での林道バトル
(林道の中)


(左)突入の前に、入り口の写真を一枚。 夜も手伝って、不気味さをかもし出しています。

(右)「ホンマにいけるんかよ」とぶつぶつ不満を言う、黒木兄弟(弟)。 後ろでは、かっちゃんが自分のバイクがいつ止まるかと、心配そうにこっちを 見ています。

 いよいよ突入です。全員バイクに跨り、少し緊張した面持ちです。 そして5:50分頃、意を決して突入!アクセルを恐る恐る開けて前進していきます。 路面の状態は、山から染み出してきた水のせいで、雨も降っていないのに 水溜りが出来る始末。おまけに轍(わだち)や泥濘(ぬかるみ)にも足をとられ、 黒木兄弟(兄)のスーパーシェルパはまだしも、後ろの2人は四苦八苦しています。 このときばかりは、黒木兄弟(兄)もスピードを落とし、路面の状態に集中して 走ります。
 しかしいつしか、黒木兄弟(兄)は、後ろの2人がオンロードバイクというのを 忘れ、自分だけの世界に浸り始めました。黒木兄弟(兄)は、グングンとスピードを 上げ、オフロードバイクの特権である、ガレ場(荒れた道)走行を楽しんだのでした。 暫く走行して、我に返った黒木兄弟(兄)は、後ろの2人がついてきていないことに 気が付きました。

(左)バイクを止めて2人が来るのを 待ちましたが、いつまでたってもきません。どうやら、何かトラブルが起こった ようです。

(右)どうやらここから先は、道が舗装されているようです。 すこしがっかりする黒木兄弟(兄)。

 バイクを止めて、暫く2人が来るのを待ちましたが、 いつまでたっても来ません。何かあったのでしょうか?暫くしても2人が来そうな 気配が無いので、残った2人が無事であることを祈って、意を決して1人でこの先に進むことにしました。

(左)舗装されていた道も終わり、 またもや獣道となっています。

(右)バイクの上から、道の状態を撮影しておきます。実際見た感じは、もっとすごい 道でした。オフロードバイクでなければ、走破できそうにありません。

 2人を残し、暫く走行していると、またもや 舗装されていない道になりました。道路の横からは、笹の葉や木の枝が道路を 塞ぐようにして生えています。獣道と化した道路が、ますます激しくなってきました。 轍も、普通のオンロードのバイクでは脱出できそうにないようなものになってきました。 これ以上先は、危険だと判断したため、このあたりで引き返そうと思います。 途中ではぐれた仲間たちは、果たして無事でしょうか?

(中央)どうやら、かっちゃんのバイクにトラブルがあり、 途中の道で止まっていたようです。メカニックマンでもある黒木兄弟(弟)が、 修理の途中でした。

(右)全身を使って、バイクが直ったのを喜ぶかっちゃん。 別に、寒さのせいでとち狂ったわけではありません。

 もと来た道を慎重に引き返します。 さっきの場所に戻ると思うと、少し気が楽になります。そうこうしているうちに、 入り口に到着しました。とりあえず2人は無事だったようです。 しかし、黒木兄弟(弟)がなにやらかっちゃんのバイクをいじっています。 どうやら、これが原因で途中の道から引き返したようです。
 黒木兄弟(弟)に、直るのか?と聞いてみたところ、「余裕!」という 返事が返ってきました。そして、2〜3分後に無事エンジンがつきました。 どうやら、アイドリングと空気調整が上手くかみ合っていなかったようです。 おまけに、ラジエータの容器の蓋が開いていて、そこからラジエータ液が 漏れ出していたようです。これも、さっきまで通っていた荒々しい林道のせいでしょうか?
 とりあえずバイクがなおって、全身を使って喜びを表すかっちゃん(写真参照)。 よほど嬉しかったのか、黒木兄弟(兄)のスーパーシェルパに乗って、どこかへ 行ってしまいました(ちゃんと免許持ってます)。

 どこかへ行ったかっちゃんをこのまま 待っているのもなんなので、辺りを徒歩で探検することにしました。 すると、どうやらここは私有地のようです(写真左)。入り口の看板に、脅迫めいたことが かいてあります。しかし、実際ゴミを捨てるのは人道に反しています。 みなさんも、ゴミのポイ捨てはやめましょう。
 さらに探索してみると、この辺は畑がいっぱいあることが分かりました。 農具を置いている小屋もあります(写真中央)。 この畑を見ていると、キャッチボールがしたくなってきますが、あいにくグローブは 持ってきていません。仕方が無いので、諦めます。

 (左)探検している途中に、いきなり変身 しようとする黒木兄弟(兄)。もちろん変身などはできません。
(中央)「この溝にはなにかある!」といって溝を覗き込む、黒木兄弟(兄)。 100円均一で買った懐中電灯が大活躍しました。もちろん溝の中には 何もありませんでした。
(右)「これは何だ!」といって、小屋の横にあった井戸に進入する黒木兄弟(兄)。 中には、ジョウロと草が生えていました。

(左)やっぱりここは入山禁止地帯でした。 道理で道が荒れているわけです。

(右)精も魂も尽き果てて、うなだれる隊員達。それほど激しく、内容の濃い 探検でした。

 やはりありました。黒木兄弟(弟)が、 入山禁止の立て札を見つけました。 しかしこの看板、道の端っこのさらに奥にあって、なかなかきづきませんでした。
 暫くすると、やっとかっちゃんが帰ってきました。帰ってくるなり開口一言、 「シェルパ最高!」と叫びました。この声は、山彦となって山々に響き渡りました。
 というわけで、隊員達の疲労もピークに達しようとしているので、そろそろ 帰ろう思います。

(左)「こんなとこに 長くいるもんじゃない!」といって、アクセル全開で脱出を試みる黒木兄弟(弟)。 ほんの30分ぐらいいただけなのに、かなり長く感じた30分でした。

(左・右)途中の自販機で、今日の 疲れを癒す隊員たち。ぼろぼろの体に、暖かいコーヒーが染み渡ります。 (かっちゃんだけコーンポタージュ)
 途中、自動販売機にて暖かい飲み物を購入しました。 暖かいコーヒーを飲みながら、無事帰ってこれたことを喜びます。 かっちゃんはコーンポタージュを買っていましたが、あまりの寒さに手がかじかんで コーンポタージュの蓋も開けることが出来ませんでした。おそらく山の中の気温は、 0度近くまで下がっていたに違いません。

 こうして、第一回目の探検は終了しました。一番奥までいけなかったのは残念ですが、 男里シェルパーズの安全を考えると、あそこで引き返したのは賢明だったと思います。
 今回の探検を振り返ると、途中で引き返したことも考えれば、 どうやら我々の完全敗北のようです。ここを制覇するには、どうやらレベルが足りないようです。 改めて大自然の恐ろしさと、雄大さを実感しました。 しかし、今回行った林道へは、また今度明るいうちに探検し、そして制覇したいと思います。

 ・・・今思えば、なぜ、わざわざ暗い中を探索しに行ったのでしょうか?
今となっては、すべては謎につつまれたままです。

〜 終 〜
2001/1/13