Act.4 クラピカ 前編

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ベッドの上で、腕を組んで座る少女が一人。
横では、クラピカが眠っていた。
少女はちらりとクラピカの方を見た。しかし、彼は一向に起きる気配を見せない。
「むぅ――――――!!」
少女は頬を膨らませ、叫んだ。
「クラピカぁっ!!!」
途端にクラピカは目を覚まし、声のした方を見た。
目の前で、少女が一人、腕を組んで立っている。
「・・・ネオン様・・?」
少女、ネオンは、クラピカの顔をのぞき込み、時計を指さした。
外は既に、光に満ちていた。
「もうっ!一体何時だと思ってるのよぉ!もう11時よ!
今日の買い物は10時からの予定だったのにぃ。」
クラピカは時計を見た。正確にはまだ11時ではなかったが、
それでもせいぜい5,6分前。

「すいません。すぐに支度して参ります。」
クラピカはふらつく足取りで、洗面室へ向かった。
冷たい水で顔を洗い、タオルで拭いたあとに鏡を覗いた。

――――惨めな、顔だな・・・。

フッと溜め息混じりの笑みが零れた。


「ネオン様。もうすぐにでも行き・・・・・。」
椅子に座っているはずの少女はいなかった。
代わりに、扉の向こうから声が聞こえた。
「クラピカー!はやくぅー!!」
ネオンは既に支度を整え、玄関の前で待っていた。
クラピカは少し、微笑んで見せた。
「はい。今行きます。」


――――私は、今の私の目的は・・・クモを倒すこと。
              この少女が・・・私をクモに導いてくれるんだ・・・。―――――


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