Act.6 ゴン・キルア・レオリオ
ノストラードの屋敷を出た2人は口論をしていた。
「何で、クラピカにあんなことしたのさっ!」
「仕方ねぇだろ!あんなヤツにはいい薬だよ!!」
ゴンが立ち止まる。そして、キッとキルアを睨んだ。
「な・・なんだよ。」
そのゴンの視線にキルアは戸惑う。
「本気でクラピカがあぁ思ってるって、思ってるの!?
本当はクラピカ、オレ達のこと思ってくれてるんだよ。
絶対!クラピカ、あれは本気じゃなかった。」
「じゃ、なんだよ。」
振り返る人の目を気にしながら、キルアは聞いた。
「クラピカ、オレ達を巻き込みたくなかったんだよ。
人の命の大切さは、クラピカが誰よりも一番良く知っているはずだから・・
オレ達を危険な目に合わせたくなかったんだよ・・・。」
キルアはゴンの肩を叩いた。
「・・・悪かったよ。クラピカのこと、ちゃんと考えてなかった。
こうなったらクラピカを徹底的に説得してみせるぞ!」
「うん!」
ゴンは笑顔でキルアに答えた。その時、
「ゴン!キルア!」
背後で聞き覚えのある声が聞こえた。
2人は振り返り、辺りを見回した。
「レオリオ!」
ゴンが叫ぶ。キルアも、その方向を見た。
「おっさん!」
人一倍大きい声で、キルアが叫んだ。
人々の視線は、一斉にレオリオに向けられた。
レオリオは怒りと恥を交差させながら、キルアを見た。
そして人々の視線が元に戻ったとき、レオリオはキルアに言った。
「オレはまだ19だっ!」
そして続けた。
「それより、お前達何でこんなとこに居るんだ?」
ゴンは先刻のネオンとクラピカとのやりとりを、全てレオリオに話した。
「何!?お前ら、クラピカに会ったのか!?」
「うん。あの屋敷の中で。」
ゴンは頷き、遠くに見えている屋敷を指さした。
途端に走り出そうとしたレオリオの腕を、キルアが掴む。
「無駄だよ。どうせ行っても門前払いさ。
なんとかクラピカに会う方法をオレとゴンで探していたところなんだ。」
「そうか・・・。」
レオリオは俯いた。
「ところで、そのネオンってのは何者なんだ?」
レオリオが2人に聞いた。
その質問には、キルアが答えた。
「多分、クラピカの雇い主だよ。
"様"って付けてたし、ネオンはクラピカのこと呼び捨てにしてたしな。」
「うそぉ!」
隣でゴンが大声を上げた。
どうやらそこまでは気付いてなかったらしい。
クラピカに会って、気が動転していたのだろう。
「うそって・・お前な・・・・・・・。」
キルアが呆れた顔でゴンを見た。
ずっと立ちっぱなしでつかれたレオリオは2人に提案した。
「クラピカの居場所は分かったし、オレが泊まってるホテルに来いよ。
お前らまだ、ホテル取ってねぇんだろ?」
2人は頷き、レオリオに続いた。